趣味 to the graveyard。

昔好きだったあの子の横顔なんて、とっくの昔に忘れちまったんだ。

ふたりエッヂ at 新宿motion 20180729 前編

というものに行ってきた。

 山田亮一(バズマザーズ)、ハウリングフロッグあみ(ゆれる)の二人によるツーマン。先日両名によるバンド”サニアラズ”の発足が発表され、どうやら今日はその新譜が出るらしい。期待に胸を膨らませながら会場に向かえば既に完売御礼。どうもありがとうこれからも応援してくれよな、っておいおい。どうやらキャパの二倍刷っていたにも関わらずの反響だったようだ。来場者の中で手に入れられなかったのは自分を含め二人だったようだが、しっかりと一枚はメルカリに出品されていた。買えなかったもう一人の君、今度一緒に出品者を血祭りにしてメルカリ本社前に捨てに行こうね。

 去年あたりからちょくちょく箱に足を”はこ”ぶようになり始めたが、今回初の新宿motion、自分史上初の座すスタイル。さびれたビルのエレベーター、5Fで降りたすぐ目のドアを開ければそこが音楽聞く的空間。かつかつに詰め込まれた椅子が50脚ほど。これもまた自分史上最少のキャパだ。そしてかつかつの椅子の横人間一人ほどの空間をあけてドリンクカウンターがある。すべての機能が集約された、OLのワンルームのような空間。開演の少し前に滑り込んだがかつかつの空間に阻まれ未だドリンク交換待ちの列がある。もはやルーティンとなっている、生をくいっと一気飲みしてほろ酔いで気持ちよく音楽を聴ける状態を作る。準備は万全と思いきやおっとここで催してしまったため一度お花を摘みに行き、戻ってくると元居た席には別の彼女がすでに住まわっており、しぶしぶと自分は唯一空いている一番左後方の、会場とエレベーターホールをつなぐ扉のすぐ前の席に着く。さあ、ライブが始まるぞ。照明とBGMが消え部隊の隅からいそいそとライブアクトが出てくる光景を想定していると、なんと自分のよこのとびらからアコギ片手に肩身せまそうにあみが登場する。どうやら前室がホール側にありステージとをつなぐ唯一の通路がそこらしい。箱の良さといえばアーティストとの距離感の近さが第一に挙げられるだろうが、この場合近い改め肌と肌が触れ合っている。初の物理的距離に、初めて異性と回し飲みをしたときのような高揚感を覚えてしまうのは自分だけではないはずだ。俺の唇はあみに奪われてしまったようだ。

 あみの存在を知ったのはそれこそつい最近、このふたりエッヂ企画の立ち上がりがきっかけで、山田亮一を通してゆれるというバンドの存在を知ったのだ。多少癖のある音楽を好んで食べる自分にとってゆれるの肉厚されど緻密に込み入っているサウンド、そしてあみの感情の吐露と受け取るのが適切かもしれない歌は一瞬にして自分の耳に心地いいものとして採用された。

 そんなあみにはじめてお目にかかる今回だったが、そのチャーミングさに完全にやられてしまった。まずなにより容姿。音楽はもちろんだが面食いである自分にとって心底ほれ込むための条件に容姿はかかせないものである。あみのそれは、まさにかわいいの一言に尽きる。最近youtubeでカエルの動画を好んで見たりしていたが、そのカエルたちを彷彿とさせる。バシェットガエルか、さすがはハウリング”フロッグ”ことあみ。ゆれるの楽曲と数曲のカバーをやってくれたが、掠れそうだったり叫びだったり様々な色を見せる”人間”的な歌唱、そして胸を幾重にも締め付けるようなタッチの優しいギター。あみさん、好きです。好き。